「LibreOffice 3.6」リリース、相互運用性や性能、細かな使い勝手など改善

 The Document Foundationは8月8日、オープンソースのオフィススイート「LibreOffice 3.6」をリリースした。LibreOfficeとしては4回目のメジャーリリースとなり、性能や相互運用性の向上といった細かな改善が含まれている。

 LibreOfficeは2010年9月に「OpenOffice.org」からのフォークによって発足したプロジェクト。フォーク元のOpenOffice.orgはその後Apache Software Foundation(ASF)の下で開発が継続しており、5月にASFの下で初となる「Apache OpenOffice 3.4」を公開している。

 大きな変更点としては、ユーザーインターフェイスの改善がある。ルーラーやステータスバーの3D枠がなくなり、ツールバーも縁なしとなったほか、ルーラーもより明確なデザインとなっている。Windows 7/Vistaでは背景のグラデーションが改善され、Mac OS XではTangoアイコンセットがデフォルトとなった。機能面の改善点としてはCorel Draw用のインポートフィルタの追加や、透かしオプション付きのPDFエクスポート対応などがある。用紙サイズでは日本のはがきサイズのサポートも加わっている。CMISプロトコル経由でのAlfrescoの統合、SharePointの限定統合も実現している。

 ワープロ機能「Writer」では、段落の間隔設定において「文脈に沿った設定」に対応した。ステータスバーへの文字数表示やSmartArtグラフィックのインポートなどもサポートされている。CSVファイルのインポートについても改善された。

 スプレッドシート機能「Calc」ではCSVファイルのインポート/エクスポートが改善され、「計算された値の代わりにセルの式を保存」オプションも加わっている。シートの名前やタイトルフィールドのセルへの挿入もサポートされている。このほか、プレゼンテーション機能「Impress」のワイド画面対応など、細かな機能強化が加わっている。

 The Document Foundationはまた、政府、企業によるLibreOfficeの採用が進んでおり、開発コミュニティも成長していると報告している。オープンソースディレクトリサービスOhlohによると、LibreOfficeはGoogle Chrome、Mozilla Firefoxに次ぐ3番目に大きな開発コミュニティを持つという。

 LibreOffice 3.6はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

The Document Foundation
http://www.documentfoundation.org/

LibreOffice
http://www.libreoffice.org/